自然災害から身を守る DATE 2005/6/01





洪水ハザードマップ

 今年もまた、避難指定場所が危険になり避難指定場所から避難されています。

 今年もまた局地豪雨が発生しています。時間当たり50mm迄の雨量想定で整備されています
低平地は特に警戒が必要です!

津波ハザードマップ








洪水(ハザードマップ)の必要性


洪水、津波 ハザードマップの作成が津波及び近年の局地豪雨多発
で急がれています。水防法の改正でハザードマップの必要性から数
年前に作成義務化されましたがまだ作成されていない所がありま
す自分の家族が住む地域のハザードマップを確認して下さい。


 日本では毎年のように洪水被害が全国で発生しています。

 平成15年にも1年前に作りましょうと提案した自治体で発生しています。予算が無いのでとのことで見送りされていま

したが大きな災害が発生しています。

極端なケースではハザードマップを作っても全域浸かるので意味がないと言われる所もありますが逆に全て浸かった時、

体の不自由なご老人は1階に住まれているケースが殆どなのでその状況把握と避難場所の明確化をしなければ起こった

とき重大な災害となりえます。

 ハード面で防ぐにはあまりにも費用がかかります、自然災害ではいかに早く安全な場所に退避できるかがキーポイント

になります。自然災害時は点の救助から面の救助になり災害の被害を少なくするためには自分の安全は自分でになり、

のための情報を前もって周知するべくハザードマップの作成は急がれるものです。

以上の理由から住民の方が住んでおられる所では、どの程度水害に対して危険かを前もって知らせることは被害を最小限

にするため必要なことです。洪水ハザードマップはその目的で作成されるべきものです。

またハザードマップを作成することで堤防が破堤したときに避難場所まで避難できるのか、以前頻繁に洪水被害があった

地域では納屋の天井に小船を吊り下げていたようにゴムボートを用意しておくなどの対処が必要かといえます。

自然災害が発生した場合の救助は広域に渡り通常の点での対応から面への対応になり、自分と周りの対応は自分達で

との認識が必要だと言えます。


 次に、洪水ハザードマップは専門家向けの情報ではなく、地域住民のお年より子供さんが見ても分り易いものが必要

かといえます。いざという時、どの段階でどの場所、どの方向、どのタイミングで避難したほうが良いかの情報が

含まれるべきです。また冠水がその場所でどこまでくる可能性があるかを前もって知っていれば避難場所まで道路

が冠水しだした場合、危険なので避難場所迄の移動を避けたほうが良いかの判断ができます。

 また周りに足が不自由なご老人がおられる場合特に留意しておく必要があります。


 過去の災害では、特に水害については避難のタイミングを逃したことで被害に遭うケースが多く見られます。

水害では河川の上流域でどの程度雨が降ったか等、判らず危険な兆候がでた時には既に道路は冠水しだして避難で

きなかったと言った事例、あるいは土石流の兆候があったが警報が伝わらず災害に遭遇されたり、兆候があっても

それが何を意味するか分らずに遭遇されています、前もって危険な地域住民の方へその説明会を開いていれば被害

を最小限に抑えられるはずです。

 洪水が広域に発生した場合、通常の点での防災救助と違い広い範囲の面での救助が必要になり対応が不可能になり

ます。いかに早い段階で避難勧告と誘導を行うかが重要になります。当然ハザードマップが住民の方に周知されて

いる必要があり、河川流域の低平地では特に安全な避難場所までの距離が遠く避難勧告の時期を十分に注意する必要

があります。低平地で堤防が決壊した場合、直ぐに大量の水が流入しますので避難が間に合わないことになります。

場所によっては2階建ての屋根迄冠水する地域があり、各家庭にゴムボートを置いておくことも必要になります。

各自で自分が住んでいる地域が洪水の場合どの高さまで冠水するかの確認をされていないと大変なことになります。

 最近の災害でもほとんどが非難勧告のタイミングが災害発生後に出されているケースが多く見られます。

避難勧告をいつ出すかの判断は近年の局地豪雨では非常に難しく常日頃からいざといった場合の避難場所、避難心得

を熟知しておくことが大切です。


 通常災害が発生するときには、情報が交さつして最初に知らされるべき住民の方への情報伝達がうまくいかなかっ

たケースが多くみられます。これは情報を送る側と受ける側のギヤップがあり、送る側が受ける側の立場で考慮す

る必要があるかと言えます。ついつい送る側は、そんなことは「当然分っているはず」だと言ったミスを犯しがち

になります。災害が起こる前からの情報伝達系統の洗い出しが必要かといえます。災害時には電源確保、非常時無線

等の適否、緊急病院の適否、等々周到な計画を要します。

 インターネット、携帯電話は災害時には使用不可能になることを前提に各通信網を確立しておくべきです。

また災害時の緊急病院での非常電源は地下室設置ではなく冠水しない場所に設置されるべきです。

過去に長崎市でおこった大水害での教訓が生かされていない現状です。


 洪水ハザードマップは当然、印刷物の配布のみに終わらず、危険な地域に対しては住民説明会を開くことが必要

かと言えます。ハザードマップを見ただけと言う方はいざと言う時情報が頭の中には残っていません。またハザー

ドマップは土木の専門家が作るケースが多く地図の中に専門的な言葉等が使用され、なにを意味するか分らない方もおられ

ると言えます。防災を目的とする地図はあらゆる方の参加で作成する必要があります。


○ 防災マップと歌われているものの中には避難場所と危険内容だけを地図上に記入している不親切なものも見受けられます。

浸水想定図での危険度が2m〜5mが同じ色分けでされているものもあり2mか5mではまったく条件が変わり、

1階の屋根に上れば助かるのか、あるいは2階の屋根でなければ助からないかの違いがでる問題で、ハザードマップ

をなぜ作製して住民の方へ周知してもらうかの原点に立っていないものだと言えます。5mの可能性があれば最初から

2階立て以上の家屋へ避難する必要があるからです。


少なくともどのような場合にどれくらい危険度があるかの記述をしなければ作成した方はわかっているのでしょうが一般の

利用する方はわからないと言えます。また地震では避難箇所として有効だが水害時にはあきらかに冠水する場所もあり注意

する必要があり、過去の水害で非難場所と指定された所が冠水したケースがあります。



○ 過去のデータではハザードマップを見ていた方たちとそうでない方との避難時間の差は1時間と言った報告があ

り、この差は被害を少なくするための大きな要素となり、ハザードマップでの周知をされている地域とそうで無い地域

では被害が大きく違ってくると思われます。





 先日(平成15年)、九州において局地豪雨が発生し多くの災害が発生しました。土石流による悲惨な災害で多くの方が

亡なられています。土石流が発生する場所は必ず指定された危険箇所です。日本は地形上、数多くの危険箇所があるのでハ

ード面で全てをカバーすることは不可能です。(正確にはほとんどが手付かずの状態と考えてください)

また近年、日本も亜熱帯気候に近い局地豪雨が発生しだしていることは数年

前から言われだしていましたが、ほとんどの自治体では数十年に一度のケースだからハザードマップ

の作成は後回しされている現状ですがその数十年に一度と言われていたことが4年後に起こっています。

 今回の土石流災害で30年前に一度起こりその後、砂防ダムを作っていたにもかかわらず砂防ダムの許容量を

こす土石流が発生して尊い人命が失われました。自然災害はハード面だけでは防ぎきれずソフト面でいかに被害を少なく

するかも重要だといえます。危険を早く察知して、早く避難することが基本だといえます。

 山間部にお住まいの方は必ず土石流の危険箇所に指定されていないかの確認をされ、地域での対策を立てて下さい。

また安全は自分達でのもとに、土石流が発生する前の地表面の変位を感知できるセンサーを設置して梅雨時には地元消防

団にテレメータとして変位を監視する体制を組み非常時の避難訓練を前もってしていたら少しでも被害を防げたかと思われます。

センサー、ソーラ電源、ワイアーレスのシステムは非常に安価です、既に砂防ダムを設置している所でも想定量を超す

土石流の可能性が近年でていますので注意が必要かと思われます。

雨量計のテレメータでの判断は今回のような局地豪雨では遅すぎ現場での判断と発生兆候をいち早く察知する必要があり

ます。






津波(ハザードマップ)の必要性

 日本でも過去に多くの津波が発生し多くの犠牲者がでています。

 津波は洪水と違い頻繁に発生するものではないので逆に警戒感が無く、

 また津波の破壊エネルギィーの大きさも常軌を逸脱した

 もので物理的に防ぐのでは無く、いかに早く非難する、非難させるかを

 考えるべきものです。また非難方向、場所は生死を決定ずけますのでハザード

 マップは早急に作成する必要があります。

 津波は地殻に溜まったエネルギーの放出(地震)が海底でおきることで発生します。

地殻の変位が急激に起こり水塊が急激に持ち上げられます、地震エネルギーが重力に逆らって水の塊にエネルギーを与えます。

水溜りに水を入れたバケツを手で急激に持上げると周りの水が持ち上げた部分に流れ込みます。次に持ち上げたバケツを放します。

そうすると下に流れ込んできた水を押し分けていき、これが津波となります。水の塊がスピードを持ってぶつかってきますので普通

の波と違って膨大なエネルギーを持っています。陸地に水塊が近ずくと水深が浅くなりますので水塊の運動エネルギーでのスピード

が落ちてその分、位置エネルギーに変わって水面が高くなります。内陸に水塊が入り込むほど位置(高さ)エネルギーに変わり、ある

高さで水の速度が0になり次は地球の重力で低い所に流れますので段々スピードを持って海に戻っていきます。海に戻ったエネルギー

は海岸線の状態でエネルギーの戻り時間が異なりエネルギーが重なったり干渉したりして複雑な状態になり危険度が増します。

水塊のエネルギーは地面との摩擦や熱エネルギーとなって減衰していきますが瞬時に消滅せずに運動エネルギーと位置エネルギーを

交互に持って減衰していきます。よって津波も複数回、押し寄せてきます。

海底地震で今回、起こったような連鎖エネルギー放出の場合、水面隆起が複数、広範囲で起きエネルギーの干渉、重複がおきます。

引き潮のように海面が下がる現象は震源地に近いほど起こります。先に述べたバケツを急激に引き上げた時周りの水面が下がるのと

同じことです。この現象は通常ありえる現象ではないので、前もって知識があれば高い場所に逃げることが可能です。しかしそうでは

なくいきなり第1波が襲ってくることがありえます。

1立法メートルの海水(約1トンの重さ)が2個(車の重量)、時速40Kmで家にぶつかってきたら大変ですがそれよりはるかにす

ざましい体積量で押し寄せ、波の高さが5mとしたら5トンの車が次から次へと当たってくることになります。

津波の場合、洪水と違いどこで海底地震が起きるか確定できないことです。又、連鎖地震が起きる可能性も否定できません。

海底地震が起きた後での津波シミュレーションは可能ですが特定できない場所、規模では推定せざるおえません。しかし、現在起きるで

あろう海域と想定マグニチュードは推定でき、その時のエネルギー量から津波が内陸部のどのエリア迄、影響を与えるか前もって

想定できますのでハザードマップを作製しておくことが必要です。

津波では川沿いの低平地は特に危険になり、どの方向へ逃げるかあるいは逃げられるかは重要な要点になります。

低平地で高台が無い場合、安全と思われる建物も住民へ周知してもらう必要があります。

 日本でも過去に津波により多くの被害がでており、津波ハザードマップは速やかに作製されるべきですが、作製にあたり、みんなで思案する

時間ばかりが長く作製できずにいると言ったことであれば問題です。

また基本は早期非難が最重要課題で地震発生の情報をいかに住民の方へ、早く確実に知らせるか

の体制作りが急がれます。





■Hazard three dimensions map
洪水、津波ハザードマップ (防災マップ)

毎年どこかで自然災害が発生しています。

危険な地域の洪水、火山、津波 立体ハザードマップ作成が急がれています。

ここには3次元で作成した洪水と津波のハザードマップのサンプルを表示しています。

立体で検証、表示することで洪水時、危険な法面、非難方向、被害想定、非難場所等の判断が直感的に把握

しやすくなります。

平面地図に色塗りして作成されたハザードマップはお年より、子供さんが見るにはわかりずらいものがありますが立体で
ハザードマップを作成することでわかり易くなり避難時に緊急を要するとき直感的に避難方向を判断し易くなります。





3次元での洪水による水没域(ハザードマップ作成例)1級河川





地図に色分けしただけのハザードマップ例

立体表示と平面表示の判りやすさの違いがでます


立体表示で住民の方に避難が直感的に分り易くなり、防災計画もたてやすくなります。
地図との合成により町名での冠水位を特定できます。
避難場所確定への検証
緊急時での避難施設の冠水レベル検証
非難場所、非難経路での冠水レベルの確認
避難場所、対策本部の選定ミスの回避




■冠水域の時間的変化





特定破堤個所での時間軸冠水シュミレーション表示
特定場所での冠水レベルから他の地区での冠水レベルの推測が可能になり非難誘導の参考となります。


●水色が冠水しているエリア(3次元斜視拡大表示)



●過去大水害での記録と3次元シュミレートの検証(3次元斜視拡大表示)



筑後平野

避難場所として想定される公共施設(黄色)の冠水水位の検証



●非難場所、経路適否の判定 時間経過での検証
●非難指定場所が冠水して使用不能、排水ポンプが冠水して使用不可等を3次元処理で避けることが容易になります。




●上図の特定住所部の拡大表示、2階建ての家屋はわかりやすく6m高に設定
小さな木は2m大きい木は6mに設定、車は全て水没状態である。
建てやの壁面の色、立ち木の色が変わっている部分が冠水レベル



●上から見た冠水エリア 1/25000 視点と拡大は自由に表示可能



●レーザ、合成開口レーダ測定データ使用により詳細作成が可能になります。

都市部、地下街への流入防止検討での止水板の有効高さなどの検討で使用できます。





   ●津波による被害が予想される影響域(三重)
   ●地域住民のお問い合わせで無償作成したデータ(3年前)です。
   ●津波の場合は特にどこに逃げる必要があるか常に考える必要があります。
   ●津波の破壊エネルギーは貧弱な建造物も破壊しますので高台に避難することが一番です。
   ●特に近海で起きた地震では非常非難通報を早く地域住民へ伝達することが必要です。
   ●また湾岸道路を走行中の車への通達方法も考慮する必要があります。




■土石流の発生

7月、九州での局地豪雨により土石流が発生した現場の地勢モデルです。
このような場所は日本中どこにでもあり警戒が必要です。
治山ダムも3ケ所設けられていましたが防ぐことができませんでした。






●赤い円柱は分水界で時間当たり100mmの降水が4時間降った時の想定ボリュームです。

地盤は以前からの降水で保湿容量の限界を超えていたと思われます。












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